高級家電メーカーとして名を馳せたバルミューダから満を持してリリースされたBALMUDA Phone。
SNSでは思いっきり「ダサい」と悪評が目立つ結果となりましたが、私も正直ガッカリでした。
ただ、単純に「ダサい」で終わるには説明不足なので、何が気に食わなかったのかをまとめてみます。

BALMUDA Phoneがダサく感じる理由
とても洗練されていると感じられない形状と素材感
「洗練とは何か」は個々人の感性があるとして、現在多くの人に「高級品」として認識されているスマホは間違いなくiPhone。
つまり「iPhone=洗練・高級感の基準」だとすれば、それ以上か?それ以下か?という見方をする人が多いかと考えます。
で、BALMUDA Phoneはどれだけメディアがゴリ押しした所で「いやいや、iPhone以下でしょ」と思ってしまうのです。
しかもお値段10万円!(SIMフリー版が10万4,800円、ソフトバンク版が14万3,280円。)
あくまで私の感想ですけど。


その理由として、まず素材感が挙げられます。
プラスチック丸出しの筐体、さらに「らくらくフォン」や昔のスマホを思わせる曲線。



形状も素材も安物の王道を選択している気がしてなりません。
むしろ今の安物(中華メーカーの1〜2万円台モデル)は素直に主流のデザインをパクるので普通にカッコいいです。

また、高級感を演出するときは大体下記の素材が使われます。
- アルミ(ヘアライン加工)
- ステンレス(鏡面加工)
- ガラス(角取りして手触りをよく)
- セラミック
およそiPhoneが手をつけた素材ですが、高級感の研究においてAppleは抜きん出ていると感じます。
BALMUDAは高級家電として売り出したメーカーなのですから、素材も加味して高級感を出せないと本気度が感じられません。
異素材を開拓するとかしてほしかった。

価格だけ高級で中身ミドルレンジ、Androidという半端さ
Appleはハードもソフトも、その流通経路(Appleストアetc)すらデザインされておりトータルで高級感を維持し続けています。
例えば中華メーカーがiPhoneのデザインだけをパクっても高級感(所有欲が満たされる感覚)を得られないのはそのせいであり「総合的な強さ、全てに抜かりないシステムが完成しているから」だと考えています。

その全てに「満たされる感覚」がないといけない。
長年に渡りここまでの城を築き上げた高級感の鬼ことAppleと、高級家電でのし上がったBALMUDAが高級感で張り合うなら、BALMUDAはハード以外も設計するべきではないでしょうか。
それがウケるウケないにせよです。
なぜなら、性能面では中華スマホメーカーがAndroid機で狂気じみたスペックアップを行なっている以上、例えBALMUDA Phoneをスペック重視にしても所詮Androidな時点で中華メーカーのハイエンド機と比較されます。
BALMUDA家電を買うような人は大体iPhone買うんですから、あくまでiPhoneと比較してどうか?だと思うのです。
唯一無二であるからこそiPhoneと張り合えるのでは?と。
Android載せた時点で「現存している有象無象のAndroid端末」の1つでしかない訳で。
Androidで独自アプリを何個か搭載してもたいしてウリにならないじゃないですか。
「スマートフォン」の定義はさておき、BALMUDA Phoneは明らかに今の時代のスマートフォンではありません。つまり十分個性のあるスマートフォンなのです。しかしその部分が大多数を占めるBALMUDA Phoneに対してのネガティブな意見を生み出しているのかもしれません。
今の時代ではないとすれば、昔のスマートフォンにしか見えません。
個性がネガティブな意見につながっているのでもなく、BALMUDAの家電における実績からみてあまりにもお粗末な仕上がりだと思うことが意見の発端です。
どこかの記事で「BALMUDA Phoneは情報弱者な金持ち向け」みたいなことを言ってる記事がありましたが、だとしたら随分と失礼というか、ナメた商売してますよね。
「それなら普通にiPhone買うわwww」ってなりませんかね。
そんな記事を金持ちが読んだ日には「そんな目で見られるバルミューダなんかもう買わない」とブランドイメージガタ落ちになるのも当然なのですが。

また、BALMUDA Phoneがあまりにダサいダサい言われすぎて今までの白物家電にも悪影響が出てくると思いますが、それも想定済みなのでしょうか。
ハイブランドもですが、信者が「これはわざとダサいんだよwww 君には"ハズし"がわからんのかね?ww」と言えるような背景の作り込みもなく素でダサいものを生んだ時は良くも悪くも「洗脳が解ける」はずです。
今回の一件で「BALMUDAだから良さげに見えてたけど、実は普通ではないか?」「バルミューダって実はイケてないんじゃ?」という気づきを得てしまう人が一定数出てくるようにも思います。

後者のイメージが定着したらもう試合終了。
さいごに
10万円の性能もなければ、デザイン性も疑問が残る
性能はわかりやすいですよね。
10万あればハイエンドなAndroid端末買えますしバルミューダフォンは選択肢にも上がらない。
で、10万円のデザイン性ですが、私個人としては「いや、その金でiPhone買わせろよ」と思いますね。
もし今後、知人友人がバルミューダフォンをチラつかせても1ミリも素で羨ましいと思えないのが逆に辛い。
逆に「タダで貰えたとしても周囲に見せつけて悦に浸る気にもなれない」のが悔しい。
バルミューダには次のモデルを期待したいところですが、初手がどうであろうと(元のメーカーイメージが)高級路線な時点で「iPhoneとの比較」は免れることができない部分かと思います。

バルミューダフォンの一連の反応を「ダサいと言われても広告宣伝効果はあった」と成功と見る人もいますが、斬新かつカッコいいデザインが出せても良い意味で炎上できたでしょう。
その時は「日本メーカーの時代再び!」とかって騒がれたかもしれませんし、どちらに転んでも炎上できたメーカーだと思います。
だとしたら悪い方に話題になることは決して前向きに取れることではないと思うのですが・・・。

2台持ち路線なら金持ち向けトランシーバー化でよかった?
「どうせiPhoneには敵わない」と最初から考えるなら2台持ち狙いでしょうか。
そこで徹底したプライバシー保護路線が良かったかなぁと思います。
プライバシーや個人情報は長らく問題になってますし。
私みたいな一般庶民はともかく、お金持ちの個人情報は流出すると厄介なことも多いでしょう。

だとすれば尚のことAndroidはナシですよね。
いっそガラパゴス化して「金持ち向けトランシーバー」くらいに揶揄される独自OS拡張性ゼロの2台持ちのほうが汚名にしてもロックだったのでは?なんて思います。
さらに値段も上げて50万100万150万レベルで「マジで一般庶民向けのモノじゃねーから!wwww」みたいなお高くとまった売り出し方でもよかったのでは?と。
そしたらヒカキンさんとかホクホク顔でレビューしてくれるでしょう。
「買わないし買えないけど、なんか金持ちだけに許された無駄遣いだよね〜!」みたいな。高級腕時計的な。(高級腕時計は資産になるとかなんとかなので無駄遣いではないか)
