よくSNSやブログのプロフィール、あるいは名刺に肩書きを書き連ねる人がいます。
そして、そのような自己アピールを激しく嫌悪する人もいますよね。
「肩書きコレクター」や「資格コレクター」なんて言葉はそういう流れから生まれた揶揄かと思いますが、はたして肩書きに固執することはダサいのでしょうか?

肩書きコレクターはダサいのか?
実績より先に肩書きが来るのはカッコ良くはないとは思う
ぶっちゃけダサいかどうかは知りません。
個人的には「カッコ良くはない(尊敬する理由やきっかけには成り得ない)」という印象です。
人が見知らぬ誰かをすごいって思う時、まずは「(その人の中にある)秀でた何か」で認知しますよね。

多くの場合、先に実績が一人歩きするので特に「何を名乗ろうか」とか意識する必要ってないはずなんですよね。


で、肩書きがたくさんある人って(全員がそうとは言いませんが)「(その人の中で)秀でた何か」が見えない。
見えないだけで実際は秀でた点があるはずなんですけど、むやみやたらな肩書きがそれを惑わしているみたいな。
別の目線で見ると、一点で突き抜けられなかった(という自覚)から複数の肩書きを立てて自己を強化(補っている)ようにも見えます。
そもそも肩書きがなくても実績が多数ある人もいますし、肩書きがあるのに実績が見当たらない人もいる。


また実績は必ずしも「大勢から称賛されるべきものが実績とは限らない」とも思います。
もちろん大勢から称賛されたほうがわかりやすい実績かもしれませんが。
肩書きには裏付けを求められる
肩書きは「○○所属」みたいなものや、国家資格などが必須じゃなければ好き勝手に何とでも言えますよね。
デザイナー、経営者、芸術家、ウェブライター、ブロガー、音楽家、ラッパー、イラストレーター、コンサルタント、投資家・・・・etc。
大半の職業は別に「実績がなければ名乗っちゃいけないルール」はない訳で、誰でも「俺は今から経営コンサルタントだ!」と名乗っても良いのですけど、そんな状態が果たしてカッコいいのか?という話で。


高級ブランドは「そのブランドを身につけて洗練された俺(私)」を想像させて「うむ、買うか」と思わせるのが戦略ですから理解はできます。
そして高級ブランドは得る前にその対価(お金)を求めてきます。つまりは「俺(私)は高級ブランドを買えるほど稼いでますのよ!」という証明をしている訳で。

一方で肩書きは何も支払わずに好き勝手に名乗れちゃいます。(※名乗れない肩書きもありますが)
でも結局、他人は大なり小なり「お前その肩書きに似合う対価は支払ってきたんだろうな?ソース出せコラ!」という確認を必ずしてくるでしょう。
と考えると、肩書きを複数書き連ねることは(相手にとって)確認作業が増えるので不信感が募りやすいのでは?と。
端的に「何かでちょっと関わっただけで色々な肩書き名乗ってんじゃないの?自分すごいアピールでしょ?」という疑いですね。
とはいえその確認作業をする人しない人、もっと言えば「できる人できない人」がいるので、ある界隈においては半ば詐欺的に利用される実態もあると考えています。
よくビジネス系の書籍や記事などで「自分が何者であるか説明できない人に仕事はこない」みたいな話があります。
これは逆に考えれば「何者であるかを説明されないと仕事を依頼できないような人達からは仕事が来ないでしょうね」とも言える訳です。

資格保有も相手を判断する材料にはなり得ますが、100%当てになるものではないことは前述の美容師の例をあげれば理解いただけるはずです。資格がないと従事できない仕事はあれど、資格=実績とは言えません。
メモ
昨今はネットも浸透し、実績を捏造したり「さもすごいことを成し遂げた感」を演出するテクニックが横行しやすい時代であると言えます。
単純に職業や役職を羅列するだけではなく「登録者○万人突破!」「SNSで○万リツイート!」といった数字のみを強調し誇示するスタイルもあります。
それがダメとは言いませんが、受け手側が安易にそれらを判断の主軸にする危うさは既に情報商材や投資詐欺等で証明されているはずです。



肩書きコレクターのメリットを考える
肩書きコレクターにマウントを取れる
誰かにマウントを取って悦に浸るには、相手が心の底から悔しがっている必要があるでしょう。
それは「悔しがっているように見える」ではダメで、確実に相手が悔しがっている必要があるのです。

その場合、もっとも効果抜群な相手は同じ価値観を有している人ですよね。
肩書きコレクターは肩書きコレクターによく効く訳です。
しかし、肩書きを意識する人が自分の周囲にどれくらいいるのか?によってもメリットは変わりそうですし、場合によってはデメリットしか生まない可能性もありますね。

肩書きで人を評価してしまいやすい人からの信頼を得られる
「自分に自信がない人が多い」かつ「何かで自信をつけたいと願っている」ような分野では肩書きコレクターであることは多いに輝くとも考えられます。
自分の軸や価値基準が揺らぎやすい人は、相手の肩書きに強く影響を受けやすいと考えます。数が多いとそれだけ後光が増します。
前述した確認作業がなされず「なんかすごそうな人」で疑いなく受け入れてしまう人達にとっては希望の光かもしれません。
つまりそういう人達を相手にビジネスを展開するなら肩書きコレクターである事は有利だと考えられるでしょう。





さいごに
肩書きをコレクションするよりも
自分で自分の肩書きをコレクションするよりも、複数の他人が「あいつはこんなことやったんだよ!」とコレクションされるような生き方をしたほうが良さそう。と私は考えます。
誰かに他人を宣伝するときも「肩書きがたくさんあってすごいの!」なんて紹介はしませんし。